【体験談】イギリス小学校に教科書が無い?

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イギリス小学校 イギリスの日常
イギリスの日常

イギリスの公立小学校は、Primary school(プライマリースクール)と呼びます。

プライマリースクールは、4歳の9月から入学するので、日本より2歳早く小学校に入る事になります。長女も入学した当初は、週5日通う朝9時から午後3時までの授業に慣れず、午後の授業で疲れて寝ちゃったことが何回かあったようです。笑 先生からはよくある事だと言われました。

最初の1年間は、レセプションと呼ばれる最初の学年なのですが、本格的な学問的な勉強が始まる前の準備期間を踏みます。英語の基礎となるフォニックスの読み書きや、0-10までの数字の理解、順番を覚えます。また、他の科目もYear1から始まる本格的な勉強の基礎知識を学ぶ下準備をします。

その後、Key stage 1(低学年:5-7歳)のYear 1-2 と、Key Stage 2(高学年:7-11)のYears 3-6で分けられます。

低学年最後のYear2と高学年最後のYear 6が終了する前に、イギリスでは毎年5月に全国統一試験(Standard Assessment Test=SAT)が行われます。子供達の学力達成度を測るテストなのですが、Year6の場合、学校別の平均点が公表されます。この平均点が各小学校の評価に関わるので、教師は子供の点数が平均値以上になる事を目標にします。こちらはある小学校の学業達成度の一部になります。

イギリス小学校学業

他にも、こちらの政府のサイトから各学校の成績以外に、学校の男女比率や出席率など細かい内容も見ることができます。子供の小学校選びに参考になる内容があるので、興味のある方は一度見てみて下さい。

イギリスの小学校には教科書が無い

”The national curriculum”(ナショナルカリキュラム)と、国が定めた案内に従って、先生達は学年毎に決められた科目(国語、算数、科学、地理学、コンピューター、美術、デザイン、歴史、音楽、体育、宗教など)を教えます。教科書は無いのですが、このナショナルカリキュラムに、学年ごとに学ばなければならない内容が記されております。宿題が多い学校があれば少ない学校もあったり、学校によって授業の取り組み方が異なるのもイギリスらしいです。

娘の学校では、English, Mathのノートを渡され、そこに学んだ資料や書いた内容を記録しているようです。教える教材は、イギリスの教師がよく利用するTwinklというオンラインサイト教材だったり、市販の本などを使っていたりします。またコンピューターやタブレットを使う事が前提である学習方法(Reading plus やReading eggs)もあり、自分のIDやパスワードでログインし、オンライン上で学習ができるアプリや、リーディングサイトを使って宿題が出る事もあります。

娘は学校で教科書も持って行かないし、筆記道具も持っていきません。学校で全て準備してあるので、水筒と宿題の絵本だけが入る小さい鞄だけ持って行きます。

勉強に関しては、時間割や教科書が無いので、学校で子供たちが何を習っているか、親として細かく把握できないので少し不安ですが、保護者面談が年に2回あります。その時担任の先生から子供の進捗を教えられ、どのようにお家でサポートすべきかアドバイスを受けます。

7月の夏休みが始まる前に、成績表のようなレポートを持って帰ってくるのですが、各科目に点数を付けられるのではなく、求められたレベル以上なのか、レベル以下なのか、或いは標準以上(優秀)なのかと成績が分けられます。そして、子供がどのように一年間励んできたのか、担任の先生からコメントを貰います。

 

イギリス小学校で良かったと思う事

色んな人種や異文化に触れ合える

近年欧米でも重要視されている「Diversity(ダイバーシティー:多様性)」を受け入れる感覚を身に付けることは、今後国際社会で生きていく子供達には必要不可欠だと感じます。イギリスには国籍や肌の色、性別や宗教が異なる人たちで成り立っている社会です。子供がクラスメイトという近い仲間を通して、一緒に勉強したり、食事をしたり、遊んだり、友情を深めたりする経験ができます。多様性を肌で感じ、尊重する環境の中にいれば、子供の視野は自然と広がります。

 

担任以外にアシスタントティーチャーがいる

担任の先生以外に、アシスタントティーチャーがいます。学校やクラスによって、アシスタントティーチャーが2~3人いるのですが、30人のクラスでも先生の目が行き届くのは助かります。各子供のレベルも異なるので、先生のサポートは必須です。娘もアシスタントティーチャーに沢山助けて貰ってるみたいです。

 

先生は褒め上手

イギリス人の先生らしく子供達を褒めるのが上手です。子供達の自尊心も育つので、子供にとっては良い環境かなと思います。また、学校では子供達にシールや小さいおもちゃの様なご褒美をあげるシステムがあるようで、娘も貰ったたくさんのシールを水筒に貼って集めています。また、ペンやおもちゃのブレスレッド等も、時たま貰ってきます。

イギリス小学校ご褒美

子供のモチベーションを上げる努力がたくさんされていると感じました。

 

学校で支給される果物や野菜がある

イギリスの給食は、日本の給食の様な栄養バランスの取れた食事ではありませんが、学校には子供達が自由に食べて良い、果物や野菜がバスケットにたくさん置いてあります。娘曰く、休憩時間にお腹が空いた時は、その果物や野菜を食べていいそうです。家からも体に良い、シリアルバーやフルーツなどを毎日持って来るよう言われており、娘もジップロックに好きなものを入れて持って行きます。転校する前の学校は、朝子供達が学校に着くと、ベーグルを先生達が焼いて子供達に配っていました。日本ではちょっと考えられませんが、子供達が学校でお腹を空かせることは無さそうです。

イギリス小学校の残念だと思う事

※こちらの内容はあくまで私個人の考えです。

 

勉強の始まる時期が早すぎる

4歳の9月から小学校が始まるので、無駄に早く勉強をさせているのではないかと何度も思いました。娘はあまり勉強に興味が無かったようで、最初の頃ついていくのが大変でした。周りについて行けず自信を無くし、自己肯定感が低くなるのでは無いか心配でした。また、娘の誕生日が6月生まれなのですが、9月生まれの日本では学年が一つ上の子と勉強する事になるので、それももう一つの心配の要因でした。お家でのサポートで、今では何とかついて行けるようになりましたが、日本の様に6歳からの入学の方が、娘には合っていたのではないかと少し後悔しました。

 

運動会や学芸会などのレベルが低い

イギリスにも季節に合ったイベントがありますが、日本の様にしっかりした準備をしたり、子供達に練習させたりする事はありません。初めて娘が参加するクリスマスのナティビティを見に行った時は、日本の学校の素晴らしさを改めて感じました。

 

年間の行事で子供がコスチュームを着たり制服を着ない日がある

これは私が個人的に感じる事ですが、イギリスには子供達が好きなキャラクターの衣装を着ていけるイベントが数回あります。最初の2年間は可愛い衣装を着せて可愛いと思って、楽しいイベントに感じていたんですが、毎年衣装を準備する親の立場としてはちょっと面倒くさい。しかも、我が家は3姉妹なので、衣装を準備するのも大変。。。学校側はわざわざ衣装を買わないでください。と言ってくれますが、手作りの衣装なんかも中々大変なので、私は毎日制服にして欲しいです。

また学校で寄付を募る日もあり、その日は1ポンド持って行く代わりに、Non-uniform dayと呼ぶ私服で学校に行って良い日があるのですが、学校の連絡をしっかりチェックしていないと、自分の子供だけ制服着ていく親としての失態をします。私は何度か経験しており、娘に泣かれました。

 

最後に

イギリスの小学校も日本の小学校も、どちらもメリットデメリットはあります。娘達がイギリスの小学校に通っている以上、イギリスの学校の良いところをたくさん吸収して、自分達の個性を発揮してくれればいいと思います。

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